境内

  • 1.本堂

    實相寺の本堂は、江戸時代に二度火災で焼失しております。本堂の中央に祀られている日蓮聖人の坐像は室町時代の永正15年(1518年)のもので、二度の火災から逃れて今も安置されております。天上画からは、神代桜にちょうちんを吊るし夜桜を楽しんでいた、とされる当時の姿をうかがうことができます。

  • 2.神代桜

    種はエドヒガンで、日本最古の桜として知られます。ヤマトタケルノミコトがお手植えされたと伝えられ、神代の時代からある事から「神代桜」と呼ばれています。また鎌倉時代には日蓮聖人が樹勢回復を祈願されたと伝えられおり「妙法桜」とも呼ばれています。老木ながらもその力強い姿は生命力にあふれ毎年美しい花を見せてくれます。

  • 3.地涌じゆの桜(宇宙ザクラ)

    神代桜の種は、平成20年に宇宙文化事業により宇宙へ行きました。約8ヶ月間無重力空間に滞在し地球へ戻りました。地涌とは、『法華経』の言葉で、仏様の教えを弘める菩薩たちが大地の「虚空世界」から出現する様子、を言います。地上を離れ大宇宙(虚空)を経て再び地上に戻ったこの桜は、私たちに何を見せてくれるのでしょうか。

  • 4.滝桜たきざくらの子桜

    日本三大桜の一つ福島県三春町の「滝桜」の子桜です。三春町にある滝桜は、推定樹齢1000年を超え、四方に広げた枝から薄紅の花が流れ落ちる滝のように咲き匂うことから、その名前がつきました。ベニシダレザクラという種の古木で国の天然記念物に指定されています。實相寺にある子桜は、平成12年に譲り受けて実相寺に植栽されました。

  • 5.淡墨桜うすずみざくらの子桜

    日本三大桜の一つ岐阜県本巣市の「淡墨桜」の子桜です。本巣市の淡墨桜は、継体天皇によってお手植えされたとされ、散りぎわに淡い墨色になることからその名前がつきました。エドヒガンザクラという種の古木で推定樹齢は1500余年と古く、国の天然記念物に指定されています。實相寺には、平成11年4月に植栽されました。

  • 6.身延山久遠寺みのぶさんくおんじしだれ桜の子桜

    山門から入り少し歩いて右に見えるのがこの枝垂桜です。同県身延町にある日蓮宗の総本山久遠寺にある樹齢400年の名木と知られるしだれ桜の小桜です。昭和52年4月に植栽され、今では大きく成長して華麗な桜のトンネルとなって見るものを魅了します。

  • 7.臥龍桜がりゅうざくらの子桜

    臥龍桜(岐阜県高山市)は、エドヒガンザクラという種で推定樹齢は1100年と古く、 国の天然記念物に指定されています。龍が地に臥(ふ)している姿に見える事が特徴です。この小桜は、平成14年4月に植栽されました。近年の雪害によって大きな被害を受け、幹から半分になってしまいましたが、強い生命力で美しい花を咲かせてくれます。

  • 8.黒松

    樹齢約170年。弘化四年(1848年)の火災の後に植えられたものです。一直線に延びるその姿は桜に負けぬ存在感を放っています。

  • 9.白モクレン

    知る人ぞ知る實相寺の白モクレンは本堂と庫裡を繋ぐ廊下の下をくぐると、目の前に現れます。高さは20m以上で下から見上げる景色は壮大です。樹齢は約170年で、黒松と同じく弘化四年(1848年)の火災の後に植えられたものと考えられております。

  • 10.厄除け祖師堂 上:外観 下:内観

    厄除け祖師坐像(日蓮聖人)は石造りの大きなお姿が特徴的です。お堂は、平成29年に再建されました。實相寺では、毎年2月14日に厄除け祈祷会を行なっています。13日夕刻から14日の午前にかけて耳が開き、人々の願いを聞き入れると言われています。(實相寺の厄除祖師は一年中耳を開いている、とも言われています)

  • 11.鐘楼しょうろう

    承応4年(1655)第19世日念上人の代に、檀主・山高荘右衛門尉信之が発願し鋳造寄進されたものです。承応4年4月12日に年号が、「明暦」に変わりましたが、「承応4年7月16日」と刻まれております。そこから当時の中央からの伝達の様子を伺えます。また、江戸初期の「甲斐の七鐘」のひとつであり、時代的特色を今日に伝える美しい梵鐘であります。

  • 12.最上稲荷

    實相寺の本堂裏には、最上稲荷大明神が祀られています。稲荷神は日本古来から五穀豊穣の神様として広く信仰されてきました。ここには繊細な彫刻がほどこされた石造物があります。中央の招き猫の様なお姿が特徴的です。

  • 13.山門

    山門は、三門とも言います。これは三解脱門の略で、空・無相・無願の3つ境地を経て仏の悟りの境地に至るための門を表しています。實相寺の山門には、扉がありません。これは、仏門にいつでも一切衆生を迎え入れる仏の大慈悲を表しているとも言われております。

  • 14.手水舎ちょうずや

    手水の起源は、聖域を訪れる際に周辺に流れる河川の水や湧き水で身を清めていたことにはじまります。實相寺の手水舎は、南アルプスの雄大な大地で育まれた清冽なお水を水源としております。訪れる人の心を清く澄みわたらせてくれるでしょう。

  • 15.蔦木氏の墓

    蔦木氏はもとは知見寺氏と称し、代々武田家に仕えた名家で、越前守盛之の代に蔦木氏に改姓しました。盛之は大津山實相寺を菩提寺と定め、永禄年間(1558~1570)に村内の大津というところから現在地に移し、代々の香華所としました。實相寺の墓地には、江戸時代初期に建造された安山岩製の石廟が5基あります。

  • 16.桜華廟おうかびょう(永代供養塔)

    時代の変化にともない、家族のあり方、そしてお墓のあり方も大きく変わってまいりました。實相寺の桜華廟には、多くの方が眠っています。みなさまも廟の前でそっと手を合わせてください。桜の花に囲まれた安らぎの地で慈悲の心を育てましょう。

  • 17.観音像

    観音菩薩は様々な姿に変化して、一切の衆生を救うと説かれている非常に慈悲の深い菩薩様です。法華経にも「観世音菩薩普門品」として説かれ、民衆に広く信仰されてきました。皆さまの前にも観音様は現れているのかも知れません。